ABOUT INDIAN FABRICS
インド手仕事布の世界
古来織り伝えられてきたインドの布。その中でも17、18世紀の欧州や日本でもてはやされた、軽くて心地のよいインドの手織り綿布をCALICO(キヤリコ)といい、同じような素晴らしい布を機械でつくりたいという人々の思いが、後に欧州と世界に紡績機の発明や産業革命をもたらしたといわれている。
幾世を経て、なお昔ながらの「布の時間」が流れるインドの村々では、村の心拍のような布づくりの営みが、今もパタンパタン、カラカラ、コトコト、チクチク、奏で続けられている。そこには、スピードや便利さ、画一性、均一性とは違う、豊かな布の手触りがある。
インドの知人から、しばしば「CALICOという語は、CALICO MILL(紡績会社)やCALICO MUSEUMと混同する」と指摘されることがある。しかし元来CALICOということばは、インドの綿布を表す普遍的なことばだ。わたしたちが目指すのもまさにその普遍である。
手仕事布とマハトマ・ガンジーのことば
「チャルカ(糸車)が回れば村が回る。」
「カディ(手織り布)は村という太陽系における太陽にあたるものである。カディを支える様々な産業は、太陽の熱とその存在のおかげで生きることができる惑星のようなものである。それなしで他の仕事は育まれない。村の人々の空いた時間を有効に活用するためにも、村の至るところで行われていなければならない。」
「チャルカ(糸車)は大衆の希望を象徴している。〜中略〜チャルカは、古今を通じて種取り、梳き、整経、糊付、染め、織りなど全ての仕事とともにあった。また、そのおかげで村の大工や鉄工も忙しかった。チャルカは70万の村を自活させてきた。」